3月議会の委員会が終わりました。
年々予算を審査するのが辛くなってきました。
それは、国の政策や方針に市が振り回され、いろんなツケをまわされ、
負担が重くのしかかっていることが予算書に表れているからです。

日高市のような小さな市では、自由に使えるお金はわずかですが、
公共施設や橋、上下水道施設の老朽化対策は喫緊の課題です。
そこへ、台風による災害復旧費やオリンピック関係の経費が加わります。
日高市を聖火リレーが通りますが、それに関連する予算約4000万円が
ほとんど一般財源(市のお金)であることには驚きます。国が出すんじゃないの!?...
幼保無償化されても公立の保育所は100%自治体負担。
会計年度任用職員制度の導入で臨時職員が80人以上も減ったのに人件費は1億円の増加。
マイナンバー関係は国費ですが、セキュリティ強化だマイナポイントだ戸籍と紐づけだと、
そのたびに「システム改修委託料〇百万円」。
 市民のために本来やりたい事業ができなくなっています。
だから「重点施策」と銘打ったものにさえ、目玉事業も新規事業も無く、わくわく感がありません。

とはいえ市がやりくりしてやっとつくった、市民の生活に直結する予算です。
議会が本気で審査するのは当然のことです。
しかし議案、予算とも質疑をしたのは、3日の本会議で16人中3人、
4日の総務福祉常任委員会で8人中2人、5日の文教経済常任委員会で8人中2人だけでした。
私の隣の席の議員は予算書すらめくらず、私が質疑すると「早く終わらせてくれよ」と言うのでした。
10時から3時近くまで何もせずに座っているのは、それはお辛いことでしょう。

びっくりしたのは、私が教育部に「予算要求段階から3億5千万円削られた予算になっているが
どんなものが削られたのか」ときいたら、
委員長が「それ、質疑ですか?一般質問でやるようなことでしょ」と言ったのです。
え?教育部が何をやりたかったのか、何かをあきらめることで子どもたちの教育に影響はないのか、
私はそれが知りたくて聞いたのです。
何年か前から市のホームページで予算編成過程を公表するようになりました。
だからどの部署がどれだけ予算要求をして、どれだけ資金不足か、
そこから最終的にどんな予算になったのかがわかるようになっているのです。

日高市議会の予算審議って、事業や金額の奥にある目的とかねらいとか、
方向性とか将来的にどうしたいとか、それによって市民サービスにどんな影響が出るかとか
そういうことを尋ねる場ではないらしいです。
だから今まで、予算編成方針やなぜこれを重点施策にしたかとか、
市長の「思い」をきけたことがありません。そこがとても大事だと思うのですが。
そして16人がそれぞれの得意分野や興味のある事業に対して質疑すれば、
もっと充実した審査ができ、お互いを高め合えるのに。
そしてそれこそ市民のためになるのに、と残念に思うのです。
委員会の「委」の字は「ゆだねる」というだけでなく「詳しい」「つぶさに」という意味もあるのです。