19日、嵐山町の渋谷登美子町議と川越市の伊藤正子市議と一緒に、東京都八王子市立高尾山学園に視察に行ってきました。
合同説明会ということで、どんな感じかと思っていましたが、名古屋市や柏市などの教育委員会、静岡県の公立の校長、地方議会の議員も多く参加していました。
https://hachioji-school.ed.jp/takao3g/
高尾山学園は公立としては初めての不登校特例校(学びの多様化学校)で、なんと2004年に開校しています(校舎は廃校になった小学校)。
小4から受け入れ、現在は小学生8名、中学生98名が在籍しているそうです。
不登校の要因は複雑化していて、本人の学力や社会性への支援のほか、情緒不安や境界領域、朝起きられない子への医療的支援、家庭環境や保護者への福祉的支援が必要な場合があります。
学園では、都費の教員、養護教諭、スクールカウンセラー、図書司書などのほかに、市費で非常勤講師、心理相談員やプレイルーム指導員、スクールサポートスタッフを多く雇用しています。
また、学園内に適応指導教室があり、学園の授業への参加もできるようになっていますし、学園が市のスクールソーシャルワーカー15人の拠点にもなっています。
教育委員会と学園が一体となった学校運営がされているのです。
(高尾山学園への市費予算が年間約6,200万円だと聞き、財力と本気度が違うと痛感…)
校長は広い視野を持ち、多様な人材を効果的に活用するマネジメント力が必要ということで、民間から迎えたということです。
概要説明でも質疑応答でも、校長はじめ先生方の人権意識の高さや、子どもへのまなざしの優しさを感じました。
校内見学では、少人数で授業が行われている様子やICTを活用した授業を見ることができました。
一方、授業に出たくない(出られない)子たちが相談室やプレイルームにいて、相談員や指導員が対応していました。途中から授業に戻っていく子も。
子どもたちは無理に頑張ることを要求されず、自分のペースで学ぶことができます。
多くの子はここで基礎学力と社会性を身に着け、進学率は97.5%ということです。
不登校特例校は現在全国に24校、2024年度には11校が開校するそうです。
日高市でも増え続ける不登校の児童生徒への学びの保障をどうするか。
精神論ではなく、教育全体のこととして考えていかなければならないを思います。
質疑応答でどこかの教育委員会の人から「不登校対策にVLPを導入することについてどうお考えか」と聞かれた校長先生が「私は否定的です。ますますコミュニケーション能力を奪ってしまう。人と関わることが苦手な子にとって人との関りが何より大事です。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
VLP(バーチャル・ラーニング・プラットフォーム)
3Dメタバース空間により構築されたバーチャル空間でPCやタブレットなどを通してアバターを操作してコミュニケーションをとれる。