令和4年度歳入歳出決算の認定については、
国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計について
市民の負担が重いことから反対しました。
令和5年度一般会計補正予算(第4号)については、
マイキーID設定支援窓口を来年3月まで継続する費用約450万円が
一般財源であることから反対しました。国が出すべきです。
以上を含め決算、補正予算、条例案はすべて認定又は可決されました。
最後に私が提案者、佐藤議員が賛成者である「改正マイナンバー法を見直し、健康保険証の継続を求める意見書案」については、長時間にわたり多くの質疑が出されました。
いつもは「自分の意見は入れず簡潔に」と言われる質疑ですが、
今回はみなさん長々と持論を述べてからの質疑で、
私の答弁も的確に答えられていなかったかもしれません。
中には、「日高市職員の何人が資格証明書発行に理解を示していないのか」とか
「これを出して国会で与野党の合意が得られるのか」
といった、到底答えられないような質疑もありました。
意見書の中に世論調査の数字を載せたら、意見書を出すのに一番有利な数字を出しているのは「卑怯」という言葉も使われました。
意見書案作成時の直近の数字を出しただけですが。
一番まいったのは、
「地方議会は国の事務事業を評価する立場にない。意見書案提出は議会本来の仕事ではない。
今回これがなければ決算などにもっと注力できた。」
という意見があったこと。
いやいや、意見書案を出すことも議会本来の仕事であるし、
決算を十分に審査できなかったとしても、それをこの意見書のせいにするのは
それこそ議員としていかがなものかと。
採決では、
賛成 佐藤真議員、田中
退席 成田奈緒子議員、近藤沙織議員、松尾万葉香議員
それ以外の議員が反対
所属する政党と違う判断の二人と、質疑では意見書提出じたいに懐疑的だった方が退席を選択 どういうことでしょうか。
議会中継の動画はこちらです。48:40くらいからです(長いです)
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/hidaka/WebView/rd/speech.html?year=2023&council_id=40&schedule_id=5&playlist_id=1&speaker_id=0
意見書案と私の提案説明を以下に載せますので、こちらだけでもお読みいただけたら幸いです。
改正マイナンバー法を見直し、健康保険証の継続を求める意見書
政府は、令和6年秋にマイナンバーカードと健康保険証を一体化させ、現行の健康保険証を廃止しようとしている。しかし、マイナンバーカードの取得は任意である上、高齢者や病気、障がいのある方など申請や更新が困難な方もいる。また、マイナンバーカード健康保険証によるオンライン資格確認や通信エラー等のトラブルも未だに全貌が明らかになっておらず、7月14日から16日に実施された共同通信の世論調査では、健康保険証を廃止する政府方針に関し、延期や撤回を求める声が76.6%にも上っている。
資格確認書の発行についても、政府の説明が二転三転し、市民のみならず、迅速な発行を求められる自治体職員、現場で取り扱う医療機関等の理解が得られているとは言えない。政府は、健康保険証廃止を前提とするのではなく、いったん立ち止まって制度の見直しをはかり、国民の信頼回復に努めるべきである。
よって、国会及び政府においては、今後も誰もが等しく安定的な医療サービスを受けられるよう、改正マイナンバー法を見直し、現行の健康保険証を継続することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
「改正マイナンバー法を見直し、健康保険証の継続を求める意見書」の提案説明を申し述べます。
政府は、令和6年秋にマイナンバーカードと健康保険証を一体化させ、現行の健康保険証を廃止しようとしています。しかし、この政策は多くの矛盾をはらみ、現在支障なく機能している国民皆保険制度から漏れる人を出しかねないものです。それは、人の命と健康という一番大事なものを守るという意味から、今一度丁寧な検証が必要ではないかと考えます。
その理由をいくつかお話します。
第一に、マイナンバー法において、マイナンバーカードの取得は任意ですから、マイナンバーカードを持たない人、持ってはいるが保険証との一体化を望まない人が一定数います。それは違法ではありません。それなのに、医療機関にかかる際に必ず必要な健康保険証を廃止するということは、事実上マイナンバーカード取得と保険証との紐づけを義務化するものです。ここに法律上の大きな矛盾があります。
第二に、政府は、第一の矛盾を埋めるために、マイナンバーカードを持たない人、持てない人、保険証と紐づけない人には保険証の代わりとなる「資格確認書」というペーパーあるいはカードを発行する方針です。これは保険証と同じ機能です。だったら保険証を廃止せずそのまま使えるようにしたほうが新たな書類を作成発行する経費も手間もかかりません。
第三に、法律上、その規模などにより、医療機関の約一割は資格確認のためのオンライン用端末を入れなくてもよいとされており、その数は全国で2万弱と言われていますが、そのような医療機関を受診する際にはマイナ保険証が使えないため、「資格確認書」とはまた別のマイナ保険証を持っている人用の「資格情報のお知らせ」という保険情報を記載した書類を発行するそうです。カード1枚で最適な医療が受けられるというのがこの制度の「売り」だったはずですが、マイナンバーカードと「資格情報のお知らせ」を2枚セットで持ち歩かないと受診できない場合があるのです。
そのほかにも、暗証番号が管理できない認知症の方などのために暗証番号なしのマイナンバーカードをつくるですとか、5年に1度のカード更新時に役所に出向くことができない場合には、自治体職員が戸別訪問して手続き支援をするとか、考えられないような話が通常国会閉会後に出てきています。制度設計の段階で高齢者や子ども、障がい者などのことを考慮せず、問題が出てくると場当たり的に対処法を考えている状況です。
また、報道等でご存じの通り、保険者から誤った個人番号が登録された事例、薬剤情報が他人に閲覧されてしまった事例、マイナ保険証提示で窓口負担割合の誤表示などが報告されています。現在、自治体や健康保険組合などで総点検が行われていますが、その労力は膨大なものです。
開業医の6割が加入する全国保険医団体連合会は保険証廃止に反対の声明を出しており、埼玉県保険医協会も保険証存続の要望書を知事に提出、東京都保険医協会は訴訟も起こしています。
介護施設や障がい者施設では、施設利用者・入所者のマイナカードの申請について、「本人の意思が確認できない」「手間・労力がかかる」などの理由で、またカードの管理についても責任の重さからできないという所が大半です。
先日の野党ヒアリングでは、認知症患者や障がい者の家族が「社会的弱者、デジタル弱者にやさしい制度にしてほしい」と訴え、保険証の継続を強く求めていました。
このように実際に困る方たちがいます。日高市にも確実にいます。施設や医療機関も歓迎していません。国の言う通り進めるべきだという方もいらっしゃるでしょう。しかし私たち地方議員は、住民に一番近い立場にあり、その住民の不安や不便を代弁する立場にあります。日高市民のためにも、意見書に賛同してくださるようお願いいたします。
念のため申し添えますが、この意見書はマイナンバー制度そのものを否定するものでもなく、マイナ保険証を否定するものでもありません。現行の保険証が廃止されたら困る人がいるので一度立ち止まってくださいというものです。
今立ち止まっては医療DXが遅れてしまうというご意見もあるでしょう。しかし、DXとはそもそも「誰一人取り残さない」ためのもののはずです。DX過渡期だから多少誰かが取り残されても仕方ないというのでは意味がありません。
今一度、意見書への賛同をお願いして、提案説明を終わります。