田中まどかのブログ~まどから風を~

日高市議会議員 田中まどかのブログです

2022年06月

20203月議会において私に出された辞職勧告決議は不当として、日高市を訴えた国賠訴訟について、本日、さいたま地裁川越支部から判決が出ました。


私の訴えは棄却されました。

棄却は予想できたとはいえ、こんなにひどい判決文をいただくとは思っていませんでした。
議会もちょっとだけしくじった部分があったけど、それはわざとじゃないし、田中さんには全然影響ないんだから、こういうことは議会の中でなんとかしてよ。
裁判所は関係ないよ。

っていう判決でした。

咬み砕いてみると、こんなことが書かれています。

▷地方議会には、地方自治の本旨に基づいてそれぞれ自律的な決まりがあるから、議員に対する懲罰やその他の措置が内部規律の問題にとどまる限りは、その議会の判断に任せるべきである。
 これまでの判例を踏襲していますが、このひどい決議が内部規律にとどまるかどうかちゃんと判断してほしい。歪曲とこじつけ、それに虚偽も交じってるんですよ。

▷私に出された辞職勧告決議は、地方自治法に書かれている「懲罰」ではないので、法的拘束力がないから、私の議員活動の自由に重大な制約をもたらすものではない。
 法的拘束力がない=実害がない?そこイコールで結ばないで!

▷決議を審議する際、議会が私に弁明の機会を与えなかったのは、弁明の機会を与えるかどうかを採決し、反対多数で否決をしたのだから違法ではない。
 そうかもしれないが、それって議会がやっちゃいけないよね。特に人に不利益を与えるかもしれないときは。

▷長文の辞職勧告決議文を議会だよりに全文掲載したのは、これまでも17件の決議のうち13件の全文を載せているから、私の社会的評価を下げるために掲載したわけではない。
 全文掲載は「慣例だった」と市は主張してるのですが、ではなぜ4件はなぜ載せなかったの?

▷吉本議員が決議案を提出したことは市議会議員としての職務にほかならず、市議会議員がどんな議案を提出するかは所定の手続きに従う限り、当該議員の広範な裁量に任せてよい。
 予算書も開かない議員が同僚議員への辞職勧告決議を出すのは立派な職務なのですね。そしてどんな議案も手続きさえすれば出せると。本当ですか?

▷決議の中で、私のSNSへの投稿について、私が書いたものではないコメントまで私が書いたものだとしているのは、確かに客観的事実と異なるが、そのほかのことは事実だから、吉本議員がその一つだけわざと異なる記載をしたとは考えられないし、議案の提出に当たって客観的事実をどのように評価するかは、議員の広範な裁量に任せるべきである。
 議員って事実をどのように評価するかも任せられるんですね!
でもそれって、議員なら自律権の意味を理解して、抑制的に使うことができるという前提のもとにではないのですか?

▷あえて虚偽や歪曲した内容を含む決議は不当だと原告(私)は言うが、この決議が議会の内部規律の問題にとどまるか否かの判断に先立って決議の当不当を判断することは議会の自律的判断を損なってしまうから裁判所はその判断をしません。
 何を言いたいのかよくわからないが、結局、決議が不当かどうかは判断してくれないんですね。

▷私と吉本議員が政治的対立関係にあったことを考慮しても、吉本議員が違法または不当な目的に基づいてあえて虚偽の内容を含む決議案を提案したとは認められない。
 私は対立したいなんて一度も思ったことありませんけど、約10年間に渡り吉本議員だけでなく多くの議員にことあるごとに攻撃(または攻撃を援護)されてきましたから、不当な目的じゃないと言われてもまったく信じられませんし、証人尋問もしてないのに不当な目的じゃなかったとどうして判断できるんでしょうか。吉本議員は議場でこうおっしゃったんですよ。「こんな人は日高市には要らない」

そんなに議会の自律権は際限なく認められるべきものなのでしょうか。どんな議会でも?

そんなに議員の裁量は広く認められるべきものなのでしょうか。どんな議員でも?

嫌がらせも、いじめも、ハラスメントも、陰謀さえも、手続きさえ踏めば何でもあり。
数さえ揃えば何でもできる。少数派なんていつでもつぶせる。
訴えられたって裁判所は判断しないんだから負けないしね。

少数派でも異端でも、市民から負託を受けた議員なんですけれど。

それでもつぶされたって仕方ないよね、だってそれが議会っていうものなんだから
…ってこの判決文は言ってるんです。

そして私の議員活動には何の影響も実害もないと言い切る。
実害がないように頑張れば頑張るほど「ほら、何ともないじゃない」ということになってしまう。
やりきれません。


そんな司法でいいのでしょうか。

こんな判決が決定してしまったら、今懸命に議員活動している少数派の人、これから議員になる人たちの職場が大変なことになる可能性があります。
私への判決が逆効果になるなんて耐えられません。

このままでは終われないですよ。

私がメディアに出したコメントは以下の通りです。


 <本日の判決をうけてのコメント>

本日、さいたま地方裁判所川越支部において、私に対する辞職勧告決議が違法であることを理由に、日高市を被告として損害賠償を請求していた裁判について、判決が言い渡されました。判決は、残念ながら議会の内部規律の範囲内の問題であるとして、私の請求を棄却しました。

私は、本件辞職勧告決議は違法又は不当な目的の下、あえて虚偽の事実又は歪曲した評価に基づいてされたものであるので、司法審査を及ぼすべきである旨主張しました。

しかし判決は、当該決議の内容の一部に客観的事実と異なる記載があることを認めながらも、決議が議会の内部規律の問題にとどまるか否かの判断に先立って決議の当不当を判断することは、議会の自律的判断を損なうので不適当であるとして、私の主張を排斥しました。

これでは司法の責任を放棄するものに等しく、現在行われている議会の多数派の横暴に歯止めを掛けることはできません。

私は引き続き日高市議会の民主的な議会運営を実現するために尽力してまいります。
   
      2022年6月30日     日高市議会議員 田中まどか


日高市議会が私に対して出した「議員辞職勧告決議」は不当として訴えていた裁判の判決が出ます。
【判決言い渡し】
6 月 30 日(木)13 時 15 分
さいたま地方裁判所 川越支部 1 号法廷(本館2階)
傍聴定員20名(先着順)
【報告支援集会】
裁判終了後14 時~14 時 30 分
川越市北公民館会議室3号(裁判所から徒歩5分)(定員20名)
(注:14 時 30 分以降は、原告と弁護団の打合せとなります)
判決言い渡しは数秒で終わると思いますので、傍聴をお願いするのは心苦しいですが、 北公民館に移動後、弁護団より解説していただきます。 お時間ある方はどうぞいらしてください。

6月議会のご報告4 一般質問③

男女混合名簿の導入について

男女混合名簿の導入については、2017年の9月議会でも質問しています。
その時点では、市内の小中学校で導入している学校はありませんでした。
当時、男女共同参画の観点と、LGBTの児童生徒への配慮から混合名簿にすべきだと主張しましたが、
それから4年以上が経ち、今、内閣府男女共同参画局でも特に問題にしているのが、「アンコンシャス・バイアス」です。

アンコンシャス・バイアスとは、「無意識の思い込み、偏見」を言います。
10年以上に及ぶ学校生活の中で、常に男子が先、女子が後ろの名簿が使われることで、
無意識のうちに、子どもたちの中に男女の序列や性的役割分担の意識が沁みつき、
それが何気ない日常の言動となって表れてしまう。
そういう意識や言動は、集団全体、社会全体のパフォーマンスを低下させると言われています。

4月8日付の読売新聞によれば、埼玉県内で男女混合名簿を採用している公立小中学校は、
2021年度で85%に達していたということです。
理由として、「何ごとも男子が先という無意識の性差別を生まないよう配慮が進んだ結果と見られる」とあり、
まさにアンコンシャス・バイアスの防止が普及の一因になっています。

ただ、記事では、さいたま市が全166校で採用する一方、
川口市では小学校7.7%、中学校14.8%と地域差があるとも伝えています。

学校では、発育測定やグループ分けなど男女別名簿が必要な場面もありますが、
パソコンのキーひとつで並び替えることができます。何の支障もありません。

答弁では、なんと今年度から市内12校すべての学校で導入済みとのこと!導入率100%!
昨年度に教育委員会から、ジェンダー平等を進めるため導入するよう校長会に指示を出したとのことです。

実は、私が2017年に質問した際に「導入のメリット・デメリットについて情報収集したい」と答弁した教育参事が、翌年高麗川小学校に校長として赴任。
すぐに男女混合名簿を導入してくれました。
一番規模の大きい学校なので、ほかにも広がると思ったのですが、続く学校がありませんでした。

今年度から、教育委員会の指示で100%を達成しましたが、
学校教育法施行規則では、出席簿は校長が作成するとされています。
できればトップダウンでなく、校長が必要性を自ら認識して導入してほしかったと思います。

1980年代から男女共同参画が進められてきましたが、2000年代にバックラッシュ(反動)にあい、
全国的には混合名簿から男女別名簿に戻す学校もありました。
今後はそのようなことが起きないようにしたいものです。

6月議会のご報告3 一般質問②
2.高麗汚水処理場の活用について
武蔵台一丁目にある高麗汚水処理施設は、昭和52年に武蔵台団地の分譲が開始されて以降、民間の運営により、公共下水道が未整備だった武蔵台、横手台の約3000世帯の汚水を処理してきました。
当初は公共下水道につながるまでのつなぎの施設でしたが、不明水(雨水流入)の問題で下水道の基準に合わないということで県に接続計画の見直しを求められ、その対策ため暫定的に使用を続けました。
その後、平成24年に施設は市に移管され、コミュニティ・プラント条例に基づき運営されてきました。そして当初の計画からは大幅に遅れましたが、昨年度、ようやく公共下水道への接続が完了し、高麗汚水処理施設は、その役目を終えました。
 今後は使用されないこの敷地面積約0.55ヘクタール(約1,650坪)の施設について、令和4年度の当初予算には、廃止事業の施設に係る除去等のために基金5,562万円余りを取り崩すとあり、今年度は建物内のアスベスト除去と、地下にある汚水処理槽の清掃を行うとしています。
施設の処分や利活用に関して何が課題なのか、維持管理と今後の利活用はどうしていくのか聞きました。
答弁から、
▷施設内に約4千立方メートル(25mプール15杯分)の汚水が残留している。今年度はその排出処理と建物内のアスベスト除去工事を硫化水素の発生やアスベストの飛散を防止しながら行っていく。
▷廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づいて建物と地下構造物(地下10メートル)を撤去して更地にするには、9億円以上の経費が掛かる見込み。
▷利活用については、耐震性や経年劣化など安全面での課題が大きく、南側の土地についてもその下のコンクリート等の劣化程度が不明なため、現在のところ明確な案はない。
▷維持管理については、侵入防止、定期巡回、除草、電気代等年間数百万円かかる見込み。
施設は住宅地にあります。安全対策と、処理や改修工事の際には近隣住民や自治会に十分な周知を要望しました。

6月議会のご報告2 一般質問①
1.高齢者の障がい者控除について

 障がい者控除とは、本人または同じ家計で生活している配偶者や扶養親族に障害がある場合に受けることができる税制上の制度です。

控除される額は、障がい者が所得税で27万円、住民税で26万円。障がいの程度が重い特別障がい者は所得税で40万円、住民税で30万円となっています。また、配偶者や扶養親族と同居している特別障がい者はさらに控除額が多くなります。

障がい者控除の対象者の要件は、心神喪失の状況にある人、知的障がい者と判定された人、障がい者手帳を持っている人など、所得税法施行令、地方税法施行令で規定されていますが、その中に、「65歳以上で市長村長に障がい者に準ずる者として認定を受けている者」という要件があります。

これが今回質問した「高齢者の障がい者控除」です。

これは、身体障がい者手帳を持っていない場合などでも、高齢により、精神又は身体に障がいのある状態に至る場合もあることから、昭和45年に制度改正が行われ、市町村長が障がい者等に準じる程度の障がいがあると認定する高齢者が、税控除の対象に加えられたものです。

しかし、市町村長が障がい者に準ずると認定する基準は法律で決められておらず、各市町村でかなりのばらつきがあります。

 日高市では、65歳以上で6か月以上寝たきり状態にあるか、食事、排せつなどの日常生活に支障のある状態にある人に対し、税控除対象者認定書を発行しており、その認定要件が細かく決められていますが、この要件が他の市町村より厳しいのではないかというご意見が、私のもとに市民や税理士から届いていました。
実際、各市町村の認定要件をHPや聞き取りで調べてみると、「要介護認定を受けている方」としか書いていないところ、日高市のように細かいところ、様々でした。

日高市では令和3年度の申請件数が19件、認定件数が15件と申請数自体少なく、申請の段階であきらめてしまっている人もいると思われます。川越市の令和2年度の実績は約800件です。

皆さんの自治体はどうでしょうか。

市の答弁としては、障害の認定要件と介護度の認定要件はその趣旨からして必ずしも一致しないので、公平性の観点から細かい要件をつけてきたけれども、他自治体と比べ、確かに要件が多く、またわかりづらいので、見直しの必要性を検討していくということでした。

また、これまで制度の周知がHPでしかされてきませんでした。広報紙での周知、加須市のように対象と思われる方への通知など、周知を徹底してほしいと要望しました。

税の控除対象者が増えれば市の税収は減りますが、市民の権利ですから、しっかりと運用していってほしいと思います。

スクリーンショット (75)

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