2020年3月議会において私に出された辞職勧告決議は不当として、日高市を訴えた国賠訴訟について、本日、さいたま地裁川越支部から判決が出ました。
私の訴えは棄却されました。
棄却は予想できたとはいえ、こんなにひどい判決文をいただくとは思っていませんでした。
議会もちょっとだけしくじった部分があったけど、それはわざとじゃないし、田中さんには全然影響ないんだから、こういうことは議会の中でなんとかしてよ。
裁判所は関係ないよ。
っていう判決でした。
咬み砕いてみると、こんなことが書かれています。
▷地方議会には、地方自治の本旨に基づいてそれぞれ自律的な決まりがあるから、議員に対する懲罰やその他の措置が内部規律の問題にとどまる限りは、その議会の判断に任せるべきである。
これまでの判例を踏襲していますが、このひどい決議が内部規律にとどまるかどうかちゃんと判断してほしい。歪曲とこじつけ、それに虚偽も交じってるんですよ。
▷私に出された辞職勧告決議は、地方自治法に書かれている「懲罰」ではないので、法的拘束力がないから、私の議員活動の自由に重大な制約をもたらすものではない。
法的拘束力がない=実害がない?そこイコールで結ばないで!
▷決議を審議する際、議会が私に弁明の機会を与えなかったのは、弁明の機会を与えるかどうかを採決し、反対多数で否決をしたのだから違法ではない。
そうかもしれないが、それって議会がやっちゃいけないよね。特に人に不利益を与えるかもしれないときは。
▷長文の辞職勧告決議文を議会だよりに全文掲載したのは、これまでも17件の決議のうち13件の全文を載せているから、私の社会的評価を下げるために掲載したわけではない。
全文掲載は「慣例だった」と市は主張してるのですが、ではなぜ4件はなぜ載せなかったの?
▷吉本議員が決議案を提出したことは市議会議員としての職務にほかならず、市議会議員がどんな議案を提出するかは所定の手続きに従う限り、当該議員の広範な裁量に任せてよい。
予算書も開かない議員が同僚議員への辞職勧告決議を出すのは立派な職務なのですね。そしてどんな議案も手続きさえすれば出せると。本当ですか?
▷決議の中で、私のSNSへの投稿について、私が書いたものではないコメントまで私が書いたものだとしているのは、確かに客観的事実と異なるが、そのほかのことは事実だから、吉本議員がその一つだけわざと異なる記載をしたとは考えられないし、議案の提出に当たって客観的事実をどのように評価するかは、議員の広範な裁量に任せるべきである。
議員って事実をどのように評価するかも任せられるんですね!
でもそれって、議員なら自律権の意味を理解して、抑制的に使うことができるという前提のもとにではないのですか?
▷あえて虚偽や歪曲した内容を含む決議は不当だと原告(私)は言うが、この決議が議会の内部規律の問題にとどまるか否かの判断に先立って決議の当不当を判断することは議会の自律的判断を損なってしまうから裁判所はその判断をしません。
何を言いたいのかよくわからないが、結局、決議が不当かどうかは判断してくれないんですね。
▷私と吉本議員が政治的対立関係にあったことを考慮しても、吉本議員が違法または不当な目的に基づいてあえて虚偽の内容を含む決議案を提案したとは認められない。
私は対立したいなんて一度も思ったことありませんけど、約10年間に渡り吉本議員だけでなく多くの議員にことあるごとに攻撃(または攻撃を援護)されてきましたから、不当な目的じゃないと言われてもまったく信じられませんし、証人尋問もしてないのに不当な目的じゃなかったとどうして判断できるんでしょうか。吉本議員は議場でこうおっしゃったんですよ。「こんな人は日高市には要らない」
そんなに議会の自律権は際限なく認められるべきものなのでしょうか。どんな議会でも?
そんなに議員の裁量は広く認められるべきものなのでしょうか。どんな議員でも?
嫌がらせも、いじめも、ハラスメントも、陰謀さえも、手続きさえ踏めば何でもあり。
数さえ揃えば何でもできる。少数派なんていつでもつぶせる。
訴えられたって裁判所は判断しないんだから負けないしね。
少数派でも異端でも、市民から負託を受けた議員なんですけれど。
それでもつぶされたって仕方ないよね、だってそれが議会っていうものなんだから
…ってこの判決文は言ってるんです。
そして私の議員活動には何の影響も実害もないと言い切る。
実害がないように頑張れば頑張るほど「ほら、何ともないじゃない」ということになってしまう。
やりきれません。
そんな司法でいいのでしょうか。
こんな判決が決定してしまったら、今懸命に議員活動している少数派の人、これから議員になる人たちの職場が大変なことになる可能性があります。
私への判決が逆効果になるなんて耐えられません。
このままでは終われないですよ。
私がメディアに出したコメントは以下の通りです。
本日、さいたま地方裁判所川越支部において、私に対する辞職勧告決議が違法であることを理由に、日高市を被告として損害賠償を請求していた裁判について、判決が言い渡されました。判決は、残念ながら議会の内部規律の範囲内の問題であるとして、私の請求を棄却しました。
私は、本件辞職勧告決議は違法又は不当な目的の下、あえて虚偽の事実又は歪曲した評価に基づいてされたものであるので、司法審査を及ぼすべきである旨主張しました。
しかし判決は、当該決議の内容の一部に客観的事実と異なる記載があることを認めながらも、決議が議会の内部規律の問題にとどまるか否かの判断に先立って決議の当不当を判断することは、議会の自律的判断を損なうので不適当であるとして、私の主張を排斥しました。
これでは司法の責任を放棄するものに等しく、現在行われている議会の多数派の横暴に歯止めを掛けることはできません。
私は引き続き日高市議会の民主的な議会運営を実現するために尽力してまいります。
2022年6月30日 日高市議会議員 田中まどか