当時のことはあまり思い出したくないので、
詳しくは少し長いですが当時のブログ記事を読んでいただければと思います。
15日の記者会見は埼玉県庁の記者クラブで行いました。
5~6社で20分くらいと予想していましたが、
12社の記者からたくさん質問をいただき、50分くらいかかりました。
ひとつ前のブログに書いたように、制度上、被告は日高市となります。
国家賠償請求額は220万円。
本来なら辞職勧告決議撤回と謝罪を求めたいのですが、
法的にそれはできないので、慰謝料という形で求めます。
私の弁護団は3人ですが、この日は2人に同席していただき、
はじめに弁護士から提訴の趣旨や法的な説明。
そのあと、私から提訴への思いを述べさせていただきました。
そして、この日は宮城県岩沼市の元市議、大友健さんが傍聴にいらしてくださいました。
昨年11月25日に最高裁大法廷で議会の懲罰について、画期的な判例変更を勝ち取った方です。
途中、ご自身のことや私の言い足りなかったことを補足してくださり、
記者の方たちの理解も深まったと思います。
他にもみんなの会in日高の代表、加須市の池田ゆみこ市議、川越市の伊藤正子市議、
嵐山町の渋谷登美子町議などが傍聴にきてくださって、本当に心強かったです。
2021年4月16日 朝日新聞埼玉版
以下は、記者会見で私が述べた「思い」です。お読みいただけたら嬉しいです。
本日はお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。
私は、ただいま水野弁護士のほうから説明があった通り、SNSへの投稿や議会報告紙の記事が市政や議会を貶める内容だったとして、一昨年の3月議会で問責決議を、さらに昨年の3月議会で辞職勧告を受けました。私は憲法上言論の自由、表現の自由が保障されている範囲内の言論、記述をしたに過ぎないにもかかわらずです。
訴状にある通り、決議以外にもいくつもの威圧行為、不当な要求、言葉によるいじめを受けてまいりました。訴状に書いてあるのは、記録があるものだけですので、実際にはもっとありました。
ご存じのように、議会には自律権があり、議会に関することは国や首長の干渉を受けずに自主的に決めることができます。これまで、長い間、この自律権を理由に、議会での懲罰については、除名以外は司法審査が及ばないとされてきました。
しかし、昨年11月25日の最高裁大法廷での判例変更により、これまでの除名処分だけでなく出席停止についても司法審査が及ぶという判決がなされ、現在差戻し裁判が行われており、地方議会の自律権の在りようが問われているところです。
(今日はその判決を勝ち取った宮城県岩沼市の大友健さんもいらしています)
ただ、私に出された問責決議や辞職勧告決議は、地方自治法に規定があり、会議規則においても委員会審査を省略できないとする懲罰には当たらず、単なる議会の「意思表示」にすぎません。逆に言えば、縛りがない分、数さえ揃えばいつでも出せるという怖いものです。
実際は、辞職勧告が出されても私は議員を続けていますし、報酬を削られたわけでもありません。しかし議場で「議員を辞めろ」と言われ、「田中まどかは議員にふさわしくない」と市内外に広められた精神的苦痛と、私を支持してくださる方に余計な迷惑をかけてはいけないという心労は、私の議員活動を萎縮させました。議会内での孤立は、他の議員との交渉や妥協を困難にさせました。一般的に言っても住民代表の地位にある者の活動を萎縮させることは、福祉向上の観点から市民の不利益になります。
しばしばこのように法的拘束力のない処分に対しては、実害がないのだから放置しておけばよいと言われます。ですが、その処分理由が捻じ曲げられたものであり、気に入らない者を排除しようとする不当な目的のためであるのに、これを放置し、我慢することは、これまで以上に議会が多数派の意のままに恣意的に懲罰や処分を発することにつながります。
そしてそれはこれから議員になろうとする人たちの意欲を削ぎ、とりわけ女性議員を増やすことへの悪影響が懸念されます。子どもたちにも胸を張って見せられる議会運営ではありません。
現在、地方議員による裁判が全国各地で起こされています。その多くが多数派議員による少数派議員の排除を目的とした処分に対するものです。一方で、司法による救済しかないとわかっていても、自律権の壁の厚さから、あるいは費用面や様々な条件がそろわず裁判に踏み切れない議員が大勢いることを私は知っています。
私が本日、この場にいるのは、議会の自律的な判断を尊重するに値しない違法なものには抗わなければいけないという決意と同時に、これは私だけの問題ではないのだという思いがあるからです。
本来少数意見が尊重されるべき議会に、真の民主主義が根付くよう、全国の地方議員と共に、そしてこれに共感してくれる方々とともに連携し活動していきたいと思っています。
メディアの皆さまにもお力添えをお願いいたします。
最後に、プレス用資料(簡易版)をアップしておきますので、ご興味ある方はお読みください。