12月議会に出された日高市敬老祝金支給条例の廃止に私が賛成したことについて、
何件かお電話をいただいています。
「あなたがこれに賛成するとは、がっかりだ」というご意見もいただきました。
こういう議案は提出する市長にとっても、議決する議員にとっても辛いものです。
しかし、だからといって討論もなしにスルーで可決してはいけないと思います。
市民に負担をかけたり、いままであったものを廃止する場合にはとくに、
議員としてなぜ賛成したか、反対したかを表明するべきです。

この議案とともに出された市民葬の廃止についても賛成しました。
利用率が激減しているとはいえ、確かにまだ利用される方があります。
しかし、葬儀の多様化で家族葬や直葬も増えていること、
市営葬は仏式にしか対応できないという、宗教上の公平性の問題があること、
近隣の市町ではほとんど廃止されていること、
加入していた健康保険などから葬祭費が数万円支給されること、
それらを総合的に考慮し、廃止に賛成しました。
この議案については反対討論がなかったため、賛成討論はできませんでした。
(日高市議会では、反対討論から述べ、反対討論がない場合には
賛成討論できないというルールになっています。改善が必要です)

以下、敬老祝金廃止についての私の本議会での賛成討論全文です。
お読みいただき、ご理解をいただければ幸いです。


 議案第63号 日高市敬老祝金支給条例を廃止する条例に賛成の立場から討論いたします。


敬老祝金は、77歳の方に1万円、88歳の方に2万円、99歳と100歳の方に3万円、それぞれ節目を迎えられた方に支給されてきました。多年にわたり社会に貢献されてきた方々を敬い、その長寿をお祝いすることは、私たち市民にとっても大変喜ばしいことです。


 しかしながら、日高市の65歳以上の人口は17,000人を超え、高齢化率も30%を超えました。平均寿命は全国より下回るものの、女性が85.4歳、男性が79.6歳です。まちづくりやボランティア、サークル活動に積極的に参加され、同年代を支援されている方も大勢おられます。もはや年齢だけをもって「支援される側」だとするのは返って失礼にもなりかねません。


敬老祝金の支給額は29年度見込みで1,137万円、31年度以降は1,400万円を上回る予想です。厳しい財政の中で、年齢によって特定の方に現金を渡すのではなく、移動支援など、より具体的で必要とされている高齢者施策へあてていくという市の考えを支持したいと思います。今まで以上に、高齢者の健康、生活、いきがいを継続的に支えることが求められていると考えるからです。


 条例廃止後は、88歳と100歳の方に記念品を贈る事業に変更するとのことですが、長寿を祝福するという本来の目的にふさわしい記念品選びと、敬老の意を温かくお伝えする贈り方を考えていただければと思います。


 また、お祝金を楽しみにされていた方も少なくないと思いますし、市長も苦渋のご判断であったと思いますので、市民への丁寧な説明をされることをお願いして、私の賛成討論といたします。