田中まどかのブログ~まどから風を~

日高市議会議員 田中まどかのブログです

2016年02月

「人それぞれプライオリティが違いますので」
「私はそちらの方とは考えが違います」

これは2月25日に「女性のための政治スクール」(元参議院議員円より子校長)の
「国の28年度予算を聞く会」に参加したときの私の質問に対する
内閣官房一億層活躍推進室の官僚の答です。
(そちらの方というのは私のことです。)

アベノミクス新3本の矢について説明を受けた後、私は次のような質問をしました。
「「保育園落ちた、日本死ね!!!」というお母さんの悲痛な叫びがネットで話題になっている。
国の予算では、(27年度補正で)低所得の高齢者への給付金3990億円を計上しているが、
28年度予算でも保育環境への予算が少ない。
保育士の給料を一般企業で働く人の水準に上げるのに3400億円かかると言われているが、
高齢者には3990億円出すのになぜ保育のところには出せないのか。
それから、
第一の矢の「強い経済」がもたらす「成長の果実」を子育てと介護のところに「分配」するというが、
子育てと介護のところに篤くすればそこが果実を産むと私は思う。
ニートや引きこもりの方たちを手当てすればその方たちも成長に貢献できると思う。
しかし国はあくまでも果実をもたらすのは第一の矢(経済)だとお考えなのですね?」

それに対する官僚の答えが冒頭の言葉です。
普通、官僚の答は「おっしゃる通りですが・・・」から始まるけれどこの人は違いました。
はっきり私を否定しました。ある意味気持ちいいけれど。

それに続く説明はつぎのようなものでした。
「第一の矢、第二の矢、第三の矢はその効果が循環することによって
子育て中の方も、ひとり親家庭の方も、高齢者も障がい者も難病の方も、
みなさんが活躍できる一億総活躍社会の実現に向かうのだと我々は考えています。
しかしそのためにはまず経済の成長の果実が必要です。」

本当にいろいろ循環したら素晴らしいけれど、
でも第一の矢がコケたら第二、第三の矢は続かないんですよね?
果実が無ければ分配も無いのですから。
そして予算のプライオリティはいまだに子育て世代より高齢者にあると。


内閣官房、厚労省は若い職員をたくさん連れてきていました。
予算を説明した上司の方は「本日のような席に若い職員を連れてきたのは、
みなさんの声を直接聞いてもらいたかったから。このような情報交換は貴重ですから」
と言っていました。国民の声を聞く努力はしようとしていることはわかりました。。

休憩中の雑談中。
「どんなに美しい言葉で予算説明されてもね、空論とは言わないけど多分に机上の話よね」
「希望出生率1.8の根拠が笑える~」(結婚したい若者9割×ほしい子どもの人数2人)
「あの話を過疎の地方でどうやれというのかしら?」

女性のための政治スクールには議員や議員を目指す人だけではなく、
企業に勤めている人、起業しようとしている人も来ています。
目も口も厳しい。

この日は他に財務省、防衛省などからもお話をうかがいました。
貴重な資料とともに活かしていきたいと思います。

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今日午前中30分ほど、リンクス高麗川のメンバー数人と一緒に、
清流橋からお蔵淵までを工事している山口組の方に
現場で説明をしていただきました。

午後から春の嵐になるという予報。
大雨に備えて、淵から水を抜く作業が急ピッチで進められていました。

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河原は駄々広く平らにされ、淵は裸にされていました。
それでも逆らうように川底の岩盤から湧水が流れてきています。
今更ながらこの工事を止められなかったことに後悔と無念がこみあげてきました。

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担当者の方は何を聞いても丁寧に答えてくださり、、率直に意見交換もできました。
水との予想外の戦いで、正直なところ難儀な工事になっているとのことでしたが、
川の工事の経験も豊富で、川の工事が予定通りにはいかないことは想定内のようでした。

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それにしても砂礫の多さには驚きます。
工事が終わったあと、この積み上げられた砂礫は戻されるのだろうけれど、
下流へ流れて行くのは防ぎようがないだろうなぁ。
この砂礫とてここより上流の工事の影響だろうと多くの人が思っているでしょう。

あたりまえだけど川はつながっています。
今回のような細切れぶちぶちの計画ではなく、
次世代に美しい川を残すための「川まるごと」構想が必要だったのではないでしょうか。

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ふだんはコミックをほとんど読まない私ですが、

『暗殺教室』を読んでみました。

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去年の7月に岩手県矢巾町でいじめを苦に電車に飛び込んで自殺した村松亮くん。

担任との連絡帳にいじめられていることを何度も書き込んでいたのに、救えなかった命。

その村松くんが連絡帳の片隅に繰り返し描いていたのが
『暗殺教室』の登場人物たちだと聞いたので、
どんなマンガなのか、それを描くことで村松くんは何を伝えたかったのかを知りたくなりました。

落ちこぼれクラスの全員が、異星人?の担任を「殺す」というミッションを果たそうとする。
そこに防衛省の役人やプロの殺し屋も絡んでくる。

正直、ついていけないストーリー、無理無理な設定、私の好みではない絵柄に
はじめは読み進めるのが辛かったのですが、
よく考えると、このクラスにはいじめはなく、みんな一癖あるが優しい。
殺しに邁進する生徒たちを、殺される立場の先生が
おおらかに受け止め、人として良くなるよう奇抜な方法で導いていく。

村松くんはここに描かれたような仲がいいクラスを望んだのか。
きちんと生徒一人ひとりを見てくれる先生を望んだのか。
その両方か。

村松くんの担任は「絵のメッセージ」をどう見たのだろう。ただの落書きだと思ったのだろうか。

気づいて!気づいて!気づいて!

子どもたちのメッセージ、サイン、暗号に私たちおとなは鈍感すぎると自覚しよう。
そして少しでも敏感になるよう努めよう。
私にはどうしても慣れないストーリーと絵だけれど、
このマンガに惹かれる子どもたちの気持ちを察することは無駄ではないと思います。


9、10、11日の3日間、白梅学園大学で
教育支援人材認証制度「こどもサポーター認証講座」を受講してきました。

子どもとはなにか、子どもの発達と権利、
子どもを取り巻く環境、子どもとの接し方などなど、
得るものの多い講義でした。

なにより、講師の教授たちが大学の外にも実際に支援の現場を持ち、
机上のことではない、現在進行中のリアルなお話をしてくださいました。

特に不登校・ひきこもり・子どもの貧困についての講義では、
現状の厳しさと日本の福祉の貧しさに、
あらためてショックを受けるとともに、
いったい日本の政治は何のためにあるのかと、暗澹たる気持ちになりました。

自分も議会での発言のほかに、何か実効性のあるアクションを起こせないかと、
真剣に考えざるを得ませんでした。

いま、不登校やひきこもりの子どもの居場所づくり、
学習が困難な子どもたちへの学習支援、
貧困や親の帰りが遅いため満足に食事をとれない子どものための「こども食堂」、
食材を企業や個人から集めて、困っている家庭や施設に届ける「フードバンク」などの取組が各地でされています。

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2月6日(土)にさいたま市民会館うらわで開催された
埼玉県主催第22回川の再生交流会に午後の分科会から参加してきました。
私が参加したのは第4分科会
多自然の川づくりと環境保全<自然と心を結ぶ川づくり>

まず事例報告として、
「和田吉野川の多自然改修工事計画」について報告がありました。

熊谷市の和田吉野川はたびたび住宅地への浸水があり、改修が急がれています。
すでに従来工法で改修工事が終わったところもありますが、
未改修区間を多自然工法で行うことになったのだそうです。
川に接した比企丘陵の斜面林を削るのをやめ、
反対側の農地を買収してそちら側に河川を広げる工法に変更したのです。
用地買収を伴っても、山側の護岸工事をしなくてすむ分コスト削減できるそうです。
この工事は県河川砂防課初の本格的多自然改修工事だということです。

埼玉県河川環境団体連絡協議会(埼河連)作成の資料によると、
「川は出水により河道内に攪乱が起こり、
土砂堆積と浸食が繰り返され、流路に変化をもたらし、
河道内を自由に変化し流れることにその本来の姿があります。
この生命線を活かす計画案として、
本工事は埼玉県にとって歴史的転換事例です。」
とあります。

ああ、もう少し早く埼玉県がこの方向に舵を切ってくれていたら・・・

事例報告のあとは、参加者がグループに分かれてフリートーク。
和田吉野川の工事で行政との協働をされている方、
蓮田市でコウノトリを復活させる活動をされている方、
元荒川でカヌー下りなど多彩なイベントをされている団体の方、
環境について学んでいる学生さんなどから
様々な取り組みをお聞きし、また、高麗川まるごと再生プロジェクトの現状を聞いていただきました。
どの方も高麗川にコンクリートの造作物は要らないと言い、
工事が始まってしまったことを残念がってくださいました。

「行政と市民の協働がなにより大事」
「川は行政のものでも川沿いの人だけのものでもない」
「コンクリで固めるやり方はもう古い、自然を残し生活との調和を」
これは県内で真剣に川と向かい合う方々のほぼ一致した意見です。

しかしもう高麗川の工事は止められないだろう、
市民に比べ圧倒的な情報量を持つ行政と敵対しても勝ち目はない。
遊歩道ができる過程でも協働の道を探ること、
あきらめずに遊歩道ができてしまってからの活動を考えることなど
みなさんから貴重なアドバイスをいただきました。
川のことで真剣に、地道に長年活動されている方たちに出会えて、
ほんとうに参加してよかったと思います。

第5分科会「100プランとまるごと再生事業」には日高市から
市民団体「リンクス高麗川」の代表が参加していました。

ちょっと驚いたのは、閉会式で「閉会にあたってのまとめ」として
埼河連の代表から高麗川まるごと再生プロジェクトについて言及があったことです。

「まるごと事業で日高市が計画した高麗川再生事業は、河川内にコンクリートの遊歩道を整備するものです。埼河連は知事に対して断固反対、計画の修正を求める声明を発表しました。県庁で2回、日高市で1回、飯能県土で2回折衝して、一定の修正はありましたが、河川にコンクリートの基本計画は着工されています。地元NPOとの協力のありかた、再生事業検討会議の最終時期にしか対応できなかったという埼河連の対応のまずさなど、反省の残るものとなりました。」

この反省がせめて今後の河川改修や親水事業を進める際の教訓となることを願います。


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