湯浅誠さんの新刊 『ヒーローを待っていても世界は変わらない』 を読みました。
ホームレス支援、年末派遣村、内閣府参与など、貧困をなくすために
尽力してきた湯浅さんの言葉は、
柔らかい穏やかな文章とはうらはらにズシンと胸に響きました。
「自分でない誰かが金を出して、自分でない誰かが調整してくれて、
しかも自分が思ったとおりに決めてくれるのを待っていても世の中は変わらない」
小泉政権、民主党への政権交代など、期待しては裏切られたことも忘れたように
今また橋下待望論が渦巻いています。
ヒーローはいないのに。カリスマなんていないのに。
それを望むことがどんなに危険なことかも考えず突き進む怖さを感じている
最近の私にはドンピシャ、ジャストフィットの一冊でした。
この中で湯浅さんは、どんなに弱い立場の人でも、
その存在や経済活動は世の中に影響を与えていることを実例をもって示しています。
そして小さくてもできることをひとつひとつやっていき
問題を改善していくことの大切さ、
少しでもいい方向にいくようにひとりひとりが務める大切さを
説得力をもって説いています。
また、クールにお金の話や政府の内側の話も書いていて、
そういう意味でも説得力ありました。
示唆に富むことがたっくさん書かれているのですが、
私が一番印象に残った言葉は、
「(どんなことにも)一気にどんとひっくり返るような魔法はなく、
隅(コーナー)のないオセロのように一個ずつ地道に反転させていくしかない」
何をしてもはかばかしくない。
ニュースを見てはうんざりしてばかり。
そんな毎日でも、あきらめずひとつずつ、少しずつ・・・。
興味のある方はぜひ一読を。