今日は飯能日高子ども劇場の総会でした。
第26年度に入った劇場ですが、会員数の減少が続いています。
子どもたちが演劇を観たり、キャンプなど自然と仲間にふれあうことで、
感性を磨き、友達をつくり、さまざまなことを学び、心豊かに育ってほしい。
自分の内側をみつめたり、社会に目を向けたりする機会になってほしい。
そう願って続けてきた活動ですが、長引く社会の閉塞感が劇場にも影を落としています。
私が入った十数年前は、会の理念や活動内容に賛同して入会する人がほとんどでした。
だから会費を払った上に汗水たらして活動を支える人がたくさんいました。
「したい活動があるなら自分たちでお金を作ればいいじゃない」
「人が足りないなら連れてくればいいじゃない」ということが普通でした。
それから少したつと、高い会費がネックになりました。
理念には賛同しても「払った分の見返り」がなければやめていく人が多くなりました。
そして今は・・・なにがネックなんでしょう?
どうやらお金の問題ではないみたいなのです。
会費を月1200円から年3600円にするという試みをしてみたところ、なんと問い合わせゼロでした。
では活動に興味がないかというとそうでもなくて、
キャンプやウォークラリーなどのイベントにはドッと応募がくるのです。
誰かがお膳立てした単発のイベントには来るけど、継続的な活動には来ない。
自分(の子ども)が楽しむだけのお金は払うけど、労力提供なんて想定外もいいとこ。
なんだかそんな風潮なのです。
やりたいことをゼロからつくる。仲間とケンケンガクガクやりながらつくる。
それが楽しいのになあ~。・・・と私なんかは思ってしまうのだけれど・・・
いや、めんどくさいですよ、実際は。でもそれを上回る喜びがあるんと思うんです。
十数年前は子育て支援もそんなになかったから、自分たちでやるしかなかった。
日高にも自主的な子育てサークルがたくさんあったのです。
でも今は数えるほどしかない。
講師がいたり、保健師さんや子育て応援隊が来てくれるところには行くけど、
自分たちで集まって、活動を考えながらやってるサークルがどんどんなくなっている。
飯能市などは子育て支援が充実してきて、
「無料で」「行きたいとき行けて」「子どもをみてくれる人がいる」ところがあちこちにあるので、
毎日そういうところを渡り歩いているお母さんたちがふえているそうです。
もちろんそれが悪いと行っているわけではありません。
子育てをサポートしていく場をつくることは絶対必要です。
しかし、本当の子育て支援ってなんだろう、と考えてしまいます。
そこに行ってお母さんが癒される・・・大切です。
しばらく子どもをみてもらってほっとする・・・もちろん大事な時間です。
親も子どももそこで気の合う友達をみつける。・・・素晴らしいことです。
でも、そこに来て人と話したり、人の子どもとふれあったり、プロのアドバイスを受けたりする中で、
いろんなことに気づいて、それについて考えて、行動できるような親になれるように
促すのが本当の支援じゃないのかなあ、と私は考えています。
うまく表現できないのですが、「答」を渡すんじゃなくて「ヒント」を与えてくれるところ、
あるいはまず自分の課題に気づくきっかけを与えてくれるところ、そんな感じでしょうか。
たとえば「男女共同参画」なんていうと引いちゃうかもしれないけど、そういうことを
お母さんやお父さんが、自分の家庭や仕事や子育てに結びつけて考えられるようになれば
少し生活のストレスが減ったり、子育てについての認識が変わるんじゃないでしょうか。
社会にももっと目が向くようになるかもしれません。
たとえば目先のことで悩んでいるお母さんに「こうしたら」と言うんではなくて、
「自分の子どもにどういう人になってほしいの?」と問いかけてみるとか。
親が自ら気づく場所。
でもそういう場所になるにはまず、お母さん、お父さんたちが支援者と信頼関係を築いて
「ここは居心地がいい」と思えないといけないんですけどね。