一般質問の続きです。

②市民コメントについて
市民コメントは、市民の意見を市政に反映させる方法のひとつで、市の重要な計画や施策の案をあらかじめ公表し、広く市民の意見を募集する手続きです。
市民のニーズを把握し、施策決定までの透明性を確保し、市の説明責任を果たすなどの目的があります。
都道府県、政令指定都市、中核市では100%、その他の市町村でも約60%が導入しています。

日高市において、市民コメントは、日高市市民参加条例に規定されており、条例制定から15年間で、市民参加の手法として一番多く用いられています。
ほかには「審議会」「市民集会」「市民会議」等がありますが、それらに比べて意見提出者の範囲が広いこと、対象となる施策の範囲が広いこと、行政は出された意見をもとに意思決定をし、その理由を公表しなければならないことなどが長所です。短所は施策案公表→意見提出→回答の一往復で終わってしまうことです。
市民コメントは有効な手段であると同時に、「市民会議などに比べお手軽」「いちおう市民の声は聞いたというアリバイ作り」などといわれてきた制度でもあります。
それでも市民コメントを通じて市民が積極的に市政に参加することは、とても有意義なことです。

(1)過去3年間の募集件数、応募人数、意見数及び採用された意見数は。
 【回答】募集件数、応募人数、意見提出件数、採用された意見数の順に、
 令和元年度  7件・101人・178件・33件(採用率18%)
 令和2年度   8件・78人・489件、151件(採用率30%)
 令和3年度 8件・123人・224件・51件(採用率23%)
 市の重要な計画や、公の施設の使用料に関するものなど市民に身近な案件もあったため、意見数は多くなっている。

(2)市民コメントの意義、効果をどう評価しているか。
 【回答】市は市民に対し積極的な情報提供と説明をし、市民は市政に関心を持ち、自主的、積極的に市民参加するという、それぞれの役割を果たすことで、市民参加条例の基本理念が推進されていると考える。
 どの施策について市民コメントを実施するか、どのように決めているのか。
 【回答】施策を行う担当課が市民参加条例をもとに決定しているが、選定の際には市民参加推進会議に意見を聞き、関係各課と調整を行っていく。

(3)意見募集の際に公表方法と時期を明記する考えは。
市民参加条例条例の規定により、意見募集の際に意見の提出方法や期間は明示されるが、市の回答の方法と時期は明示されない。結果公表はHPと行政情報コーナーでの閲覧の場合が多く、意見を出した市民が回答を見落とす可能性がある。回答方法と時期の公表を条例に書き加える考えは。
【回答】対象施策の内容や市民の関心度によって意見数も違い、回答作成に時間がかかる場合もある。条例で一様に設定することは難しいが、施策決定の過程において公表予定時期を示すことは可能。

(4)多様な市民が応募しやすくなるための工夫は。
意見募集の際の説明資料の充実や、どこに何が書いてあるかの検索機能の改善、施策に関係する団体や専門家に意見を聞いているか。
【回答】審議会において知識経験者等から意見をいただいている。

市民参加条例第3条2項には「市民参加は、市民が平等にできるように進めるものとする」とある。障がい者、外国籍の方への配慮は。
【回答】音声の文字変換ソフトや翻訳ソフトなど、様々なデジタルデバイスの進化によりスマートフォンなどから意見をいただくことが可能となることが見込まれる。DXの進展と費用対効果を見ながら検討していく。

意見提出の方法として、厚労省では手話動画などでの応募が可能であるが。
【回答】事例も参考に、今後多様性に配慮し研究していく。

市民参加条例では、市民参加についての年齢制限を設けていない。令和5年度から施行される「子ども基本法」の子どもの意見表明権の保障の観点から、子どもに関する施策については、子どもからの意見募集もすべきと考えるが。
【回答】子ども基本法の趣旨を踏まえ、担当課と調整していく。

最後の答弁をもらって、やった甲斐がありました。
今後、「子ども・子育て支援事業計画」など策定の際に、ぜひとも子どもたちに意見を寄せてもらいたいものです。
また今後、例えば手話言語条例やLGBTQに関する条例などが制定される場合などもあるかもしれません。
市民コメントは、待っているだけでなく、もっと専門家や当事者にアウトリーチすべきと考えます。
市民参加手法の進化を期待していますし、私たちももっと積極的にアプローチしていきたいですね。