高麗本郷のメガソーラーに関する裁判の判決文を情報公開請求し、入手しました。
40ページ近く、物件目録等を入れると50ページを超えますし、
とにかく用語や文章が難しすぎですが、概要を書いてみます。
令和2年(行ウ)第46号 太陽光発電設備設置事業の権利確認等請求事件
主文
1 本件訴えをいずれも却下する
2 訴訟費用は原告らの負担とする
原告1 TKMデベロップメント株式会社
原告2~12 土地を所有し、または所有していた個人
被告 日高市
原告の主な訴えは、以下。
①TKMが、FIT法による認定を受けた事業者として、日高市が制定した条例及び条例施行規則の規定にかかわらず、事業を実施する権利を有することの確認。
②原告個人らが、その所有地をTKMに事業地として提供する権利を有することの確認。
争点は、原告に訴えに確認の利益があるかどうか。
判決では、①②ともに訴えの利益がなく、訴えの適法性がないとされました。
裁判は、当事者間の紛争解決のためのものですが、今回の訴えについては、判決によって解決することができないということです。
日高市が制定した条例とは、「日高市太陽光発電設備の適正な設備等に関する条例」(2019年8月22日施行)
https://en3-jg.d1-law.com/hidaka/d1w_reiki/H501901010002/H501901010002.html
問題とされているのは、次の2つの条文です。
40ページ近く、物件目録等を入れると50ページを超えますし、
とにかく用語や文章が難しすぎですが、概要を書いてみます。
令和2年(行ウ)第46号 太陽光発電設備設置事業の権利確認等請求事件
主文
1 本件訴えをいずれも却下する
2 訴訟費用は原告らの負担とする
原告1 TKMデベロップメント株式会社
原告2~12 土地を所有し、または所有していた個人
被告 日高市
原告の主な訴えは、以下。
①TKMが、FIT法による認定を受けた事業者として、日高市が制定した条例及び条例施行規則の規定にかかわらず、事業を実施する権利を有することの確認。
②原告個人らが、その所有地をTKMに事業地として提供する権利を有することの確認。
争点は、原告に訴えに確認の利益があるかどうか。
判決では、①②ともに訴えの利益がなく、訴えの適法性がないとされました。
裁判は、当事者間の紛争解決のためのものですが、今回の訴えについては、判決によって解決することができないということです。
日高市が制定した条例とは、「日高市太陽光発電設備の適正な設備等に関する条例」(2019年8月22日施行)
https://en3-jg.d1-law.com/hidaka/d1w_reiki/H501901010002/H501901010002.html
問題とされているのは、次の2つの条文です。
第11条 事業者は、太陽光発電設備設置事業を行おうとするときは、市長の同意を得るものとする。
2 市長は、事業区域の全部又は一部が特定保護区域又は保護区域内に含まれる場合は、当該太陽光発電設備設置事業に同意しないものとする。
附 則
原告の主張は、
・第11条では、太陽光発電設備を設置する場合には、市長の同意が必要で、「特別保護区域」「保護区域」(市の基本構想における森林保全区域及びふれあいゾーン)への設置については市長は同意しない、と明記しているが、これは憲法(22条営業の自由、29条財産権)違反であり、県のガイドラインの趣旨にも反している。
・TKMの事業はこの特別保護区域と保護区域に予定されているため、条例違反をすれば、林地開発許可への悪影響やFIT認定の取り消しなど重大な不利益を被る。
・TKMは条例制定時には土地の契約や設備の発注、銀行やコンサルとの契約などしていた経緯があり、「すでに事業に着手していた」のだから、附則2にあるように第11条は適用されない、と主張しています。
裁判所の判断は、
・TKMはいまだに林地開発許可を得ていないので、市長の同意を得たかどうかにかかわらず、事業を実施する要件を満たしているとは言えないので、事業を実施できる法的地位にはない。
・たとえ事業者が市長の同意を得ずに事業を実施したとしても、市長は、勧告し、勧告に従わない場合は事業者を公表し、県・国に報告することができるだけである。つまり、同意を得なければ事業が実施できないというわけではない。
・FIT認定は、その事業が法の目的に適合するかどうかという観点からされる。環境保全を目的とした日高市の条例とは趣旨が異なるから、条例違反が直ちにFIT取り消しには結びつかない。原告と日高市が市長の同意の要否を争ったとしても、その結果は経済産業大臣の判断を拘束しない。
・県は、林地開発許可を定めた森林法に基づき判断するため、市町村が定める行政指導に従わなかったことが林地開発許可の判断に影響するとは考え難い。
・TKM以外の原告個人らについては、すでにTKMに土地の売却または地上権の設定がされており、市の条例によって土地所有権に制約があったというのは困難である。
・事業が実施できない可能性については、TKMと土地所有者の間のリスク配分の問題である。
これは私が判決文を読んで、なんとかわかりやすくお伝えしようと試みた文章なので、間違いや不足があると思います。詳しく知りたい方はご連絡ください。
判決の次の日の東京新聞には、「条例に法的拘束力がないことがわかったので控訴しない」という原告の会見での言葉が載っていました。
私が赤字で表記した部分をそのように解釈したのだと思います。
だとしたら、その解釈どおり市長の合意なく事業を進めるのでしょうか。
でも、原告側が提出した証拠(下記の国会答弁)からするとFIT認定を取り消されます。
それでも続けますか?
注視していかないといけませんね。
附 則
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に太陽光発電設備設置事業に着手している者に対するこの条例の適用については、第10条第1項中「当該事業に着手しようとする日の60日前まで」とあるのは、「速やかに」とする。ただし、第11条の規定は、適用しない。
原告の主張は、
・第11条では、太陽光発電設備を設置する場合には、市長の同意が必要で、「特別保護区域」「保護区域」(市の基本構想における森林保全区域及びふれあいゾーン)への設置については市長は同意しない、と明記しているが、これは憲法(22条営業の自由、29条財産権)違反であり、県のガイドラインの趣旨にも反している。
・TKMの事業はこの特別保護区域と保護区域に予定されているため、条例違反をすれば、林地開発許可への悪影響やFIT認定の取り消しなど重大な不利益を被る。
・TKMは条例制定時には土地の契約や設備の発注、銀行やコンサルとの契約などしていた経緯があり、「すでに事業に着手していた」のだから、附則2にあるように第11条は適用されない、と主張しています。
裁判所の判断は、
・TKMはいまだに林地開発許可を得ていないので、市長の同意を得たかどうかにかかわらず、事業を実施する要件を満たしているとは言えないので、事業を実施できる法的地位にはない。
・たとえ事業者が市長の同意を得ずに事業を実施したとしても、市長は、勧告し、勧告に従わない場合は事業者を公表し、県・国に報告することができるだけである。つまり、同意を得なければ事業が実施できないというわけではない。
・FIT認定は、その事業が法の目的に適合するかどうかという観点からされる。環境保全を目的とした日高市の条例とは趣旨が異なるから、条例違反が直ちにFIT取り消しには結びつかない。原告と日高市が市長の同意の要否を争ったとしても、その結果は経済産業大臣の判断を拘束しない。
・県は、林地開発許可を定めた森林法に基づき判断するため、市町村が定める行政指導に従わなかったことが林地開発許可の判断に影響するとは考え難い。
・TKM以外の原告個人らについては、すでにTKMに土地の売却または地上権の設定がされており、市の条例によって土地所有権に制約があったというのは困難である。
・事業が実施できない可能性については、TKMと土地所有者の間のリスク配分の問題である。
これは私が判決文を読んで、なんとかわかりやすくお伝えしようと試みた文章なので、間違いや不足があると思います。詳しく知りたい方はご連絡ください。
判決の次の日の東京新聞には、「条例に法的拘束力がないことがわかったので控訴しない」という原告の会見での言葉が載っていました。
私が赤字で表記した部分をそのように解釈したのだと思います。
だとしたら、その解釈どおり市長の合意なく事業を進めるのでしょうか。
でも、原告側が提出した証拠(下記の国会答弁)からするとFIT認定を取り消されます。
それでも続けますか?
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=119614103X00320180423¤t=1
注視していかないといけませんね。
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