俳優の成宮寛貴さんが突然引退を表明しました。
薬物使用の疑いもあったとされ、それについてもまだはっきりしませんが、
性的指向を暴露されたことに耐えられないからという理由が報道されています。
芸能界のことですからいろいろ事情はあるのでしょうから真相はわかりません。
でも、報道が本当だとしたら、ゲイであること、同性愛者であることで
職業を奪われていいのでしょうか。いいわけありません。


LGBTの人権については再三ここで書いてきたので繰り返しませんが、
ゲイであろうが、同性愛者であろうが、男であろうが女であろうが、
障がいがあろうがなかろうが、すべての人が自分らしく生きていくことができる社会にしていくこと。
それが今の社会に、日本に、世界に求められていることだと、
成宮君の一件では怒りをもって訴えたい。それはもちろん日高市でも。

日高市では今開会中の議会に
「日高市印鑑条例の改正」と「日高市男女共同参画推進条例」が提出されています。
「日高市印鑑条例の改正」は性的マイノリティに配慮して性別記載欄を廃止するというものです。
日高市では、今後法的に決められているものや統計的に必要なもの以外の
すべての公文書の性別記載を禁止していく方針です。

一方、「男女共同参画推進条例」は世間から10年遅れで出されたといってもいいくらいです。
でもせっかく「今」出すなら、印鑑条例改正の理由とセットで、
性的マイノリティの人権への言及があってもいいのではないかと思いますが、ありません。

平井議員と私の会派では、市が男女共同参画推進条例を作っている
1年前の段階からそれを要望してきました。
なので、条例案を審議する8日の総務福祉常任委員会に、平井議員が修正案を出しました。
基本理念に、
「男女の性別にとどまらず、性同一障害を有する人、先天的に身体上の性別が不明瞭である人その他のあらゆる人の人権についても配慮されること」
という一文を追加するという案です。

しかし、賛成1反対6で否決されてしまいました。
反対理由は
「執行部の説明したように、理念条例としての条文の中に性的マイノリティのことも包含しているから」
というものです。

でもLGBTの人たちにとっては「男女の人権」「男女=すべての人」という言い方そのものに
疎外感を覚えると言います。

性的マイノリティに配慮しての印鑑条例改正は県内でも先進的です。
その理由の根拠を男女共同参画推進条例ではっきりさせること、
さらに前向きになるよう市の背中を押すこと、それが議会として必要ではないかと思います。

委員会では否決されてしましましたが、20日の本会議でもう一度チャレンジです。
どんな議論がされるのか(されないのか)市民のかたが傍聴して見届けていただけると嬉しいです。

日高市で成宮君のように理不尽に職場を追われる人が出ないこと、
そして、成宮君のように「人に知られたくない」と思っている人が
秘密を守り続けられる社会であることを願って。