15日の一般質問の2項目めです。
「日高市の魅力は自然が豊かであること」市民のほとんどがそう考えています。
市民意向調査でも84.1%の人がそう答えています。
しかし、巾着田でのまつりやイベントでの商業的なやり方、
高麗川に作られたコンクリートの遊歩道、巾着田の一部に芝生を貼る計画など、
整備することでかえって自然の良さを損なってしまっているのではないかと、
日高市の観光振興施策について、私には疑問に思うことが多々あります。
自然環境の保全と観光振興について、日高市は何を目指しているのか、
バランスと優先順位についてどう考えているか、
観光ビジョンを策定しないのか、などについて質問しました。
まず、自然環境の保全について市長の考えを聞きました。
市長: 日高市の自然は、北アルプスや奥秩父と違い、人間の営みがごく近くにある自然。現状のまま保全する場所と、人の手を入れて管理すべき場所、エリアごとにメリハリをつけた自然と共存を目指すことが重要と考えている。
私は、市長が人の営みとともにある自然を大切にしたいと言ったことには
とても共感しましたが、どこまで人の手を入れて管理すべきなのか、
今の施策は、整備という名のもとに自然を損ねてしまっているのではないかと危惧します。
バランスと優先順位についての市民生活部長の答弁では、
「日高市を代表する観光地である巾着田や清流高麗川などは、豊かな自然の上に成り立っている」と言いながら、「環境と観光は密接に関連しているので、優先順位はつけられない」と結んでいるのです。
「自然保全優先」と明言できないところが日高市の弱さではないでしょうか。
次に、自然保全と観光振興が相反した場合など、
環境基本条例や環境基本計画との整合性を担保するために、
市役所の中に議論したり調整したりする仕組みがあるのか、とただしました。
環境課も産業振興課もほかの関係各課も、
環境に配慮して事業を進めることを基本として意見交換しているとの答弁でしたが、
たとえば、高麗川まるごと再生事業などにおいては、もっともっと環境課が
関わるべきだったのではないかと思わざるを得ません。
川底を重機でさらい、淵の水を(当然生き物も)掻き出し、川筋を変え、
湧水を止め、砂礫を積み上げ、蛇籠の壁を積み、コンクリの道を作る。
環境や生き物に影響ないわけがないのですから。
この工事は規模からいって環境アセスメントを実施する必要はないのですが、
独自に生き物、水質への影響など調べるべきだとも思います。
最後に観光ビジョンを策定する考えはないか聞きました。
お隣の飯能市では市民や大学と協働でエコツーリズムに取り組んできて、
ここでまた体験型・着地型観光という観光スタイルを目指して
今後5年間の新しい観光ビジョンを策定しました。
日高市総合計画、日高市環境基本計画、まち・ひと・しごと総合戦略など、
あちこちに様々な表現で書かれた環境政策や観光施策をまとめ、
しっかりとした理念とルールに則ってビジョンを策定してはどうかと
提案しましたが、日高市総合計画に明示してあるので
策定は考えていないとの答弁でした。
埼玉県は「川のまるごと再生プロジェクト」の後継事業として
「川の国埼玉はつらつプロジェクト」を実施しようとしています。
日高市はこれにも応募しようとしているようです。
高麗川まるごと再生事業では、たった2週間で計画をつくり、
当初3000万円ほどだった計画が最終的には約3億円の事業に膨れ上がりました。
今回も県の説明会が8月24日、応募締め切りが9月30日というスケジュールです。
日ごろからやりたいと思っている事業に使えるお金が出そうだ、よし応募しよう!
というのなら1か月でもいい計画が作れるでしょうが、
お金が出るから何か考えようと1か月で作った計画に
いいものができるわけがないと私は思います。
市民との意見交換も事前にはできない。
それでは本当に市民が望むものはできないのではないでしょうか?
市民が望む市の姿、観光で訪れる人が望む日高市の姿、
日高市に移り住みたいと思っている人が望む日高市の姿はどんな姿なのか。
日高市に移り住みたいと思っている人が望む日高市の姿はどんな姿なのか。
アンケートなども取っただけ聞いただけのアリバイづくりではなく、
その結果や意見を施策にしっかり活かしてほしいと思います。
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