田中まどかのブログ~まどから風を~

日高市議会議員 田中まどかのブログです

2016年09月

今議会に提出された議案には、27年度決算を含めてすべての議案に賛成しました。
おかしかったのは、27年度一般会計決算の認定について平井議員が賛成討論しようとしたとき、
議場全体が「え?賛成だよ?」という雰囲気になったことです。
すかさず平井議員が「安心してください、ちゃんと賛成しますから」と言って笑いを誘いました。

佐藤議員(共産党)と平井議員と私が手を上げると必ず「反対」だと思われているらしい(笑)
議会だよりに載る賛否の表を見ていただければわかりますが、
平井議員と私はほとんどの議案に賛成していますよ。
ただ、反対するときは必ず反対理由を言うことにしています。
それに対して多くの場合賛成討論がありません。
なぜ賛成なのかを表明せずに議案を通すのには常々納得できませんでしたが、
今回は佐藤議員の6つの反対討論に対し、ほとんど賛成討論がありました。
市民に審議の過程が少しでもわかるようにするためには必要なことです。

今回、少し迷った点は、決算の不用額(予算に対して使わなかった額)が10億円超だったこと。
財政に余裕がないのに余らせる?
もっと予算の見積もりを正確にしていれば他の事業に(例えば福祉に)まわせたかもしれない。
会派みんなの会から決算特別委員として出ていた平井議員がそこをしっかり追及してくれて、
その結果、入札による請負残や経費をかけずに事業効果を図る努力によるものだと理解でき、
また、次年度予算の積算において留意するということだったので、決算にについては認定しました。


もう一つ迷ったのは、補正予算案で出された、市民まつりで行われる
高麗郡建郡1300年記念花火大会のための費用500万円です。
なぜ花火?それに1300年事業にはもうかなりの(8000万超)のお金が使われています。

しかし、花火自体の経費は実行委員会が募る企業や個人からの寄付で賄われ、
市の支出ではありません。
市の予算500万円は観覧席の設置や警備、照明、保険、広報費などなので、
花火大会自体を反対できません。

今回の補正予算には合併浄化槽への転換補助金50基分の上乗せや
中学校体育館の補修など重要な予算もあったので、反対しませんでした。

頭が大混乱に陥っています。
女性のための政治スクールで、東京外国語大学大学院教授で、
自らを「紛争屋」と呼ぶ伊勢崎賢治さんのお話をおききしました。

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「9条があったから70年間戦争しないできたんじゃない」
「安保法制じたいは問題じゃない」
「いまさらスーダンから自衛隊を返そうなんてできるわけない」
「憲法を誰が作ったかなんてもうそんなこと言ってる場合じゃない」
いろいろ言い切られ、私たちが今までやってきたことをひっくり返された思いです。
でも、あまたの紛争地域で平和維持活動をされてきた伊勢崎さんの言うことにはぐうの音も出ません。
しかも伊勢崎さんご自身は「護憲派」だとおっしゃる。さらに混乱。

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実際に伊勢崎さんが行かれたコンゴでの活動のようすを映像で見せていただいたり、
過去15年ほどの間にPKOの任務がいかに変容してきたか、それはなぜなのかなど、はじめて聞くこと見ることばかりでしたが、私たちはこういうことを知らずにいてはいけない、と強く思いました。

もう9条を今のまま自衛隊を海外派遣することには無理がありすぎる。理論的に破綻している。
日本国内にアメリカを抱えることのリスクを真剣に考えなければいけない。
なぜ今まで日米地位協定を変えずに来てしまったのか。
このままでは9条をバカにしている。
沖縄をバカにしている。

なんとかしなければという、強い意思と怒りみたいなもの、そして「非戦」への強い思いを伊勢崎さんのお話からビシビシと感じました。

まだまだ私の頭の混乱は続きそうです。
著書を読んで少しでも理解出来るよう、努力したいと思います。

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一般質問の3項目めは、環境ボランティアへの支援についてです。
日高市内で自然環境や生活環境に関する活動をしている団体は、
総務課に登録している49団体中、19団体です。
登録していない団体やグループを入れるともっとあると思いますが、
課題はどこも高齢化、世代交代ができない、活動のマンネリ化、活動資金確保の難しさで、
どの団体も先細りが見えています。

今回、そういう課題を市は把握しているか、という私の質問に対し、市民生活部長は
「環境に関するボランティア団体の多くが、高齢化などの問題に苦慮されている状況は
認識しているが、具体的な相談が市に寄せられたことはない。今後は具体的な要望を聴いていく」 
というものでした。

「知っていたけど助けませんでした」
これ、福祉部門だったら人死んでます。

環境基本計画策定時に市はすでに「高齢化が課題、若年層への参加を呼びかける必要がある」
と分析しているのに、「きいてないよ~」とは!?ダチョウ倶楽部?

具体的な要望を聴く体制はどう整えるかという質問には
「書面で確認するとともに、可能であれば直接話をうかがう」という答弁でした。
市はまだまだどの部門においてもアウトリーチの手法をとれずにいます。
市民側からどんどん声を出さないと「きいてませんから」とスル―されてしまいます。
声を上げましょう。

「日高・みどりの会」という市民団体が主催で毎夏行われる
「環境ボランティア展」は今年10回目を迎えました。
しかしこの団体も10回を機に解散しようという話が出ています。
環境の良さが命の日高市で、環境ボランティア団体が次々に消えていっていいのでしょうか。
いいわけがありません。市はもっと危機感を持つべきです。

日高市では市が主催の環境展は行われていません。
「環境ボランティア展」にさえ、市としては参加していないのです.

近隣市町はどこも6月の環境月間に環境展や環境フェスタを開催し、
市民,行政、学校、企業が展示や発表、ワークショップなどを行っています。
日高市もそういう催しを主催または市民団体と共催して,
活動紹介、人材発掘、交流、資金集めなどの機会をつくってはどうかという提案をしましたが、
答弁は「まずボランティア団体からの要望をきいてから検討する」でした。

なにもかも行政主導、行政が助けるべきだというのではありません。
市民団体も行政ももっと対話をして、まちづくりを一緒にしていく土壌をつくりましょう。

写真は「第10回環境ボランティア展」のもようです

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15日の一般質問の2項目めです。
「日高市の魅力は自然が豊かであること」市民のほとんどがそう考えています。
市民意向調査でも84.1%の人がそう答えています。
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しかし、巾着田でのまつりやイベントでの商業的なやり方、
高麗川に作られたコンクリートの遊歩道、巾着田の一部に芝生を貼る計画など、
整備することでかえって自然の良さを損なってしまっているのではないかと、
日高市の観光振興施策について、私には疑問に思うことが多々あります。

自然環境の保全と観光振興について、日高市は何を目指しているのか、
バランスと優先順位についてどう考えているか、
観光ビジョンを策定しないのか、などについて質問しました。

まず、自然環境の保全について市長の考えを聞きました。

市長: 日高市の自然は、北アルプスや奥秩父と違い、人間の営みがごく近くにある自然。現状のまま保全する場所と、人の手を入れて管理すべき場所、エリアごとにメリハリをつけた自然と共存を目指すことが重要と考えている。

私は、市長が人の営みとともにある自然を大切にしたいと言ったことには
とても共感しましたが、どこまで人の手を入れて管理すべきなのか、
今の施策は、整備という名のもとに自然を損ねてしまっているのではないかと危惧します。

バランスと優先順位についての市民生活部長の答弁では、
「日高市を代表する観光地である巾着田や清流高麗川などは、豊かな自然の上に成り立っている」と言いながら、「環境と観光は密接に関連しているので、優先順位はつけられない」と結んでいるのです。
「自然保全優先」と明言できないところが日高市の弱さではないでしょうか。

次に、自然保全と観光振興が相反した場合など、
環境基本条例や環境基本計画との整合性を担保するために、
市役所の中に議論したり調整したりする仕組みがあるのか、とただしました。
環境課も産業振興課もほかの関係各課も、
環境に配慮して事業を進めることを基本として意見交換しているとの答弁でしたが、
たとえば、高麗川まるごと再生事業などにおいては、もっともっと環境課が
関わるべきだったのではないかと思わざるを得ません。

川底を重機でさらい、淵の水を(当然生き物も)掻き出し、川筋を変え、
湧水を止め、砂礫を積み上げ、蛇籠の壁を積み、コンクリの道を作る。
環境や生き物に影響ないわけがないのですから。
この工事は規模からいって環境アセスメントを実施する必要はないのですが、
独自に生き物、水質への影響など調べるべきだとも思います。
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最後に観光ビジョンを策定する考えはないか聞きました。
お隣の飯能市では市民や大学と協働でエコツーリズムに取り組んできて、
ここでまた体験型・着地型観光という観光スタイルを目指して
今後5年間の新しい観光ビジョンを策定しました。

日高市総合計画、日高市環境基本計画、まち・ひと・しごと総合戦略など、
あちこちに様々な表現で書かれた環境政策や観光施策をまとめ、
しっかりとした理念とルールに則ってビジョンを策定してはどうかと
提案しましたが、日高市総合計画に明示してあるので
策定は考えていないとの答弁でした。

埼玉県は「川のまるごと再生プロジェクト」の後継事業として
「川の国埼玉はつらつプロジェクト」を実施しようとしています。
日高市はこれにも応募しようとしているようです。

高麗川まるごと再生事業では、たった2週間で計画をつくり、
当初3000万円ほどだった計画が最終的には約3億円の事業に膨れ上がりました。
今回も県の説明会が8月24日、応募締め切りが9月30日というスケジュールです。

日ごろからやりたいと思っている事業に使えるお金が出そうだ、よし応募しよう!
というのなら1か月でもいい計画が作れるでしょうが、
お金が出るから何か考えようと1か月で作った計画に
いいものができるわけがないと私は思います。
市民との意見交換も事前にはできない。
それでは本当に市民が望むものはできないのではないでしょうか?

市民が望む市の姿、観光で訪れる人が望む日高市の姿、
日高市に移り住みたいと思っている人が望む日高市の姿はどんな姿なのか。
アンケートなども取っただけ聞いただけのアリバイづくりではなく、
その結果や意見を施策にしっかり活かしてほしいと思います。


15日に一般質問を終えました。
図書館のフロント業務外部委託についてご報告します。

図書館の業務の一部が来年29年度から外部委託される予定ですが、
私自身は、市民が集い、交流し、書籍によって知識や意識を向上させ、
民主主義の質を高めるための施設が直営でなくなることは
自治体が、市民に対する触覚や皮膚感覚を失うような気がしてなりません。

TSUTAYAに運営を任せて有名になった佐賀県武雄市の図書館と対比される
同じく佐賀県の伊万里市民図書館の元館長はこう言ったそうです。
「市民は風、図書館は帆、行政は船」
市民と図書館が行政を動かす。それくらい図書館は重要だということでしょう。

しかし、市も図書館をよりよい場所にしていこうとしている中での運営見直しですから、気になることをしっかりきいておかなければと思いました。

目的は?・・・開館時間の拡大、利便性の向上を目指し、市民が本に親しむ環境を整えたい。民間の活力を活かしてサービスを向上させたい。

費用対効果は?・・・現在よりも多くの経費がかかると見込んでいるが、市民の生涯学習の振興にとっても重要であり、運営の効率性も考慮しながらサービス拡大を図りたい。(私は今より400万円ほどかかるとみています)

サービスの変化は?・・・開館時間拡大、貸出・返却を公民館等でできるようにする。また移動図書館車の運用を検討中。また、定型的な仕事を委託すれば、司書が本来の司書業務に専念できることからレファレンスも向上できる。おはなし会や子どもの読書推進など、日高市立図書館の特徴であるボランティアとの協働事業については今まで以上に充実させていきたい。

職員体制は?・・・正規職員(現在6名)の配置については検討中。臨時職員(現在11名)については個々に丁寧に対応していく。
(実際には正規職員は減員、臨時職員は契約更新しないということだと思います)

市民への周知は?・・・できるだけ早い時期にわかりやすくご案内する。
(反対を恐れて直前告知というパターンはやめてほしい)

私は6月議会で市役所1階の窓口業務の外部委託について質問しましたが、
そこでもやはり費用対効果への疑問や、
サービス向上を正規職員で目指せない虚しさを感じてしまったのですが、
極限まで正規職員を減らしてしまった末、
公共のアウトソーシング化の進行はもはや止められないのでしょうか。

でもいったん外部委託や指定管理者制度を導入した図書館を
直営に戻している自治体も全国で12ほどあるようです。
メリット、デメリットを充分考慮して、どうすることが市民の利益になるのか、
しっかり考えてほしいと思います。
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環境保全と観光振興のバランス、優先順位についての質問は
次回のブログでご報告します。



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